脇役の美学

近頃、お客様から心温まるメールを頂戴したり、web shopでレビューを頂く機会に恵まれています。

フィードバックは、モノづくりの一端を担う者にとっては大きな励ましです。

身に着けてくださる方の幸せを想像し、今自分が出来るベストを尽くしてお届けするのだと一層思いを深め、創作の原動力となっています。


直接お会いできないからこそ、quirk of Fateでは、ラッピングに少々こだわっております。


桐箱に、荒目から細目と番手を換えながらヤスリをかけて、箱を開ける時の感覚や手触りに違和感がないようにしたいと心がけています。


主役のジュエリーが、運送中に箱の中で動いてしまわぬように、布に綿を詰めて縫ってアイロンをあててから、レースで包んで安心を確保。

開けた時に、保存時のにおいができるだけしないように、ササっと見えないところにスプレーをかけたり。


最後の仕上げのリボンは、ジュエリーの色合いだったり、その時の季節お客様のイメージを思い浮かべて決めています。


リボンに関しては豊富なバリエーションカラーは準備しているものの、昨今は、なんとなくquirk of Fate のイメージに合うカラーが決まりつつあるような気がしています。


しかし、全てこれで完結というわけではなく、未だ進化中です。


もう少し改善したりチャレンジしたい事も処々あるので、今後も現行と並走して試作を重ね、より魅力的な脇役として変身していきたいと思っております。


「神は細部に宿りたまう」とは、ドイツの美術史家アビ・モーリッツ・ヴァールブルグの1925年ハンブルク大学講義録メモに書かれていた言葉だそうです(由来は諸説あり)。

現在は「魂は細部に宿る」という言葉に言い換えられることも多いですが、創作時の戒めの言葉として捉えています。



ラッピングの場合には、最終的に全体として心地よい温かみと、身につけてポジティブになって頂けるような作品であるための細部の一つであると位置づけています。


このように一つの作品がお客様に届くまでの工程は、どれも全て愛しく且つ小さな喜びに満ちた発見の道のりです。

今後もより良く変化していきたいと思っておりますので、引き続き楽しくフォローして頂けますと幸いです。

どうぞ良い日曜日の午後をお過ごしくださいませ♪

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