誕生石の贈り物
一雨ごとに秋の深まりを感じる今日この頃ですが、9月最後の週末、皆様如何お過ごしでいらっしゃいますか?
この度は、今月お誕生日を迎えられたお母様へのプレゼント制作に携わったお話です。
このご依頼を頂いた時「ペンダントはスカラベにしたいな」との思いを抱きました。
9月のお誕生石であるイエローサファイアが下部で、上部はローズカットが施された水晶とが組み合わさったオーバルルースを中央に座し、それを甲虫のボディーに見立てました。
スカラベとは、タマオシコガネ(フンコロガシ)を指します。
器用に後ろ足で押しながらコロコロと球体を作る姿は献身で、その様子から古代エジプトでは太陽神を表し、生成・創造・再生のシンボルとされていました。
quirk of Fate ではもう少し抽象化し、羽を広げてアラベスク柄で華やかさを加え、裏面には彫りで足を表しました。
ネックレス部分には、9月のお誕生石のもう一つであるアイオライトをチョイス。
アイオライトの鉱物名は「コーディエライト」で、和名を「菫青石(キンセイセキ)」と呼びます。
直感力思考力を高め、迷いなく進むべき道へ向かい、心に安らぎを与えてくれる天然石だと言われています。
和の名のごとく、落ち着いたすみれ色のグラデーションが秋らしく、マイクロカットによってキラキラと輝く上質なアイオライト。
それを葡萄色の絹糸を用いてオールノット(一つ一つ結び目を作る技法)でつなぎ合わせ、しなやかなネックレスに仕上げました。
お嬢様のお話によると、コロナ禍お母様に直接会うことは叶わなかったものの、おしゃれして華やいだご様子がTV電話から伝わり、目には嬉し涙が光るお姿に、思わず貰い泣きされたとのことでした。
こうしたメッセージを頂戴し改めて思うことがあります。
作品を通して、人を想う恋しさや愛しさ、感謝など綯い交ぜにした感情への共鳴は、次へと駆動する原力に他なりません。
今月も残り数日となりましたが、10月より価格改定対象となっているデザインを中心に、たくさんのご依頼をいただいております。誠に有難うございます。
順次お届けできますよう努めて参りますので、楽しみにお待ち頂けますと幸いです。
皆さま、時節柄どうぞ自愛くださいませ。
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